空手の東京五輪競技入りへ全日本空手道連盟と極真会館が歴史的合体

http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/othersports/367693/




とりあえず大昔書いた恥ずかしい文章を発掘してきた。




たぶん98年くらいに書いたような気がする...。 かなりいい加減な文章で読みにくいかも...。

空手道ってなに?


空手とは中国から伝来した武術が沖縄に伝わり・・・ と言った話しはどこでも聞く話しなので、ここでは省略。 とりあえず、みんな空手って聞くと

『寸止めなんでしょう』
『顔殴るのはダメなんでしょう?』とかいいます。
それが、ちょっと誤解しているんですよね。

皆さんが空手の試合でみる競技には全空連式寸止めポイント制(当てちゃイヤー ン)とフルコン制(ガンガンあてろー!)という大きな2つの流れに分ける事が 出来ます。(本当は、ここで型競技なんてのもあるのですがこれはあとから)

とりあえず、空手の歴史からみてみましょう。

沖縄から空手が伝わり、各地で空手道場が開かれたり、大学などで空手道部が できて稽古が行なわれました。

その頃の稽古の方法は、基本や型の練習のみで、自由組み手(実際に人と自由 に技を繰り出す事、つまり試合の事を組手といいます。)ことはありませんで した。

そのため、実際に技がつかえるかどうか確かめる方法がありませんでした。ま た、血気盛んな青年が空手を習う訳ですから、基本練習だけで満足する訳あり ません。

じゃあどうするか? 答えは一つ。ストリートファイトしかないでしょ!

実際、沖縄の辻と呼ばれる遊楽街には喧嘩をするための場所があってそこだけ は御役人さんたちも目をつむっていたらしい。ああ、おそろしい・・・。

こんな野蛮なことをしてたら、空手をやる人間のモラルが問われてきます。 それに、わざわざ実践で技を確かめるとは合理的じゃーない。

そこで、大学の空手道部(この頃は唐手研究会と呼ばれていた)が中心になって 安全な練習方法を考えました。

で、第一弾!、防具をつけて殴ってみよー!

防具=剣道ってことで、剣道の防具を改良して 組み手が行なわれました。

ちなみに、今でも防具をつけて試合をする流派がありますし(錬武会といいま す。ちなみに全空連に加盟しています。全空連についてはあとで。)、以前高 校の空手道大会には防具付組み手と言うクラスがありました。ここで余談を一 つ。

何故か沖縄県は防具付組み手が強く、全国大会では決勝で沖縄VS沖縄という カードがあったくらいだったそうです。 この防具付組み手って、実際に打ち合うのでポイントがいつ入ったかがわかりやすい! でも何故か衰退してしまいました。

沖縄の高校空手は防具付組み手が強かったので寸止めには慣れていませんでした。 だから、おもいっきり当てちゃうくせが抜けず強かった沖縄はあっという間に 弱くなっちゃいました(^^;

その腹いせかどうか知りませんが沖縄ではついこの間まで防具付組み手の大会が ありました。最近なくなったそうですが・・・。

ちょっと横道にずれましたが戻りまして・・・防具付組み手は一見優れていま したが一つ致命的な欠点がありました。

まー、剣道の防具をみればわかりますがあれをつけて飛んだりはねたり出来ま せん。無理でしょう。

空手はその破壊力と同時に俊敏さをもつ武道でしたので、その俊敏さを犠牲に するというのはいけない。

しかし、空手の突き蹴りは一撃必殺の威力を持っているので重い防具無しで 殴り合えない。うーん、どうしましょう?

そこで、第二弾! 考えられたのが、体の寸前で技を止めるという今の寸止め方式の組み 手方式でした。 当たらないのでこれなら(理論上)絶対安全。

この方式はあっという間にひろまりました。

一般にいう寸止め空手を行なっている団体の総元締めを全空連と言います。 (正式名称財団法人全日本空手道連盟)

こいつはなんと、文部省の下にいる団体です。この全空連が日本の各伝統派と 言われている流派を取り仕切っています。で、インターハイ、インカレ、さら には国体などを全空連が運営しています。(もし空手がオリンピックに加盟し たら寸止め空手が採用されるでしょう。文部省が絡んでいるんで)

あと、全空連には型という試合形式があります。これは一言でいうと昔から伝 わる型を演武して体操競技のように採点する形式で、これについてはまたややこし くなるのであと回し。

そうそう、また横道にずれますけど、日本船舶振興協会って知ってますか?あ そこの前の会長って、日本最後のドンって呼ばれた超大物ですけど、全空連っ て、その親分が会長だったんですねー。だから住所も、そこのビルなんですねー。 ま、どうでもいいことなんですけど。

注意。ルールでは止める事になっている寸止めですが、実際けっこー当たりま す。ていうか、当てます。とりあえずボディーは当てなきゃポイントを取って くれません。水月(ミゾオチ)に突きが入ってのたうち回ったら1本と取られたっ てこともありえます。(もし当たった時の事を想定して)頭につける防具が最近 発達し、頑丈になって顔を思いっきり殴ってもペナルティーを取られません。 逆にポイントがもらえます。ルールでは、当てたらどんどんペナルティーが科 せられるはずなのに・・・。

こんなわけで、空手の試合はしばらく寸止め主流となるわけなんですが、ちょっ と素人にはポイントが入ったかどうかわかりにくい。技が入っても当てられた 振りをして倒れる奴も出て来る。大体止めるという行為自体おかしい。と、い ろいろな問題が出て来る訳です。

そんな折、一人の青年が日本の空手界に衝撃を与えました。
そう、『牛殺し』大山増達です。

さて、この大山増達って人は剛柔流と松涛館の二つの流派を学んだと言われて います。彼は、実は寸止めの全国大会で優勝した事がありそうです。その時試 割り(瓦などを割ること)の日本記録もつくったそうな。某フルコン団体の月刊 誌に、その時の感想みたいなのが載ってました。要約すると、

『俺が本気でいくとみんなびびって試合にならない。唯一、決勝の時に当たっ た男は強かったが俺が間違えて当ててしまった後はそいつもびびってしあいに ならなかったぜ、はっはっは。』

(注意、かなり脚色されています。関係諸団体の方ごめんなさい)

みたいなことが書かれてました。

ようするに、みんなただの点取りスポーツみたいな事をしてこんなんで良いん かい!って事がいいたかったみたいですね。その後、彼は極真会館の前進であ る大山道場をつくります。

さて、空手(もちろん寸止めね)で初めて世界大会が開かれる事になりました。 で、普通世界大会だったら各国から代表が1チームずつ出ますね。ところが、 事もあろうに日本は信じられない事をしました。なんと、4大流派と呼ばれる 空手の主な団体から各1チームずつ派遣したのです。つまり、日本は4チーム だしたんですね。こんなことしちゃあ、他の国は黙っていません。審判団は (国際大会だから日本以外の国の方が多いので)日本に対してめちゃくちゃなジャッ ジをしました。そりゃ当然っすよね。こうして、空手母国日本は惨敗してしま いました。

それをみた大山増達は彼らを『真の日本代表ではない、空手母国は死んではいない!』 と表明し、『直接打撃制』、『史上最強のカラテ』、『組手至上主義』をかかげた 極真会舘を設立し、直接打撃制の試合を行うと発表しました。

それまで空手はある意味で神秘的な武術でした。それまで空手の突き蹴りは 当たれば一撃で倒されると信じられていました。しかし、それを誰も確かめた事が ないし、危険なので確かめようがない。

そんな中、大山増達は直接打撃制の試合を行うと発表したのですから凄い反響 &非難です。今風にいえば、アルティメット大会をおこなったといえば当時の 衝撃の凄さがわかるでしょう。

絶対死人が出る!と言われて非難されたこの直接打撃制の試合ですが、大きな 事故もなく、そんな邪道な空手ブチ壊してやる!と出場した他流派(もちろん、 今までの寸止め空手の方ですね)のおにいちゃん達も勝てず、無事に終ってし まいました。

もっとも、この試合以降、空手は神秘の武道ではない!ってことも一般に 広まったんですけどね。(一撃必殺信仰もこの頃から薄れてきました)

とにもかくにも、極真会館は発展してゆきました。空手の単独団体としては世 界で最も大きく、知名度もかなりありますよね。そして、その極真歴代チャン ピオン達は自らの流派を築き上げていきました。

そのなかで最も有名なものの一つが『K1』で知られるようになった 正道会館です。

石井館長は大阪で正道会館を開いて、いろんな試みをしました。 総合格闘技への試みとして、あのリングスに佐竹が何度か出ています。 そういったものを経て『K1』にいきついたんですね。

あと、マニアの方には『大道塾』という団体がわかるでしょうか? みなさん、グレーシー柔術の名前はきいたことがあるでしょう。 そのグレーシー柔術が話題になり始めた頃、大道塾の市川という男が アルティメット大会に出場しました。

ちょっと説明しますが、大道塾は一応空手の団体となっていますが ルールは従来の空手とは全く違います。
まず、頭にはスーパーセーフと言う防具をつけます。これは透明で 割れない素材でできて丈夫です。手には何もつけません。で、 手による上段への攻撃を認めています。さらに、投げ技はおろか、 寝技等も認められています。さらに、体格差のある相手に対してなんと 『金的』攻撃すら許されるという激しいルールです。おそろしや・・・。 そうそう、むかし、NHKのドラマで『ビジネスマン空手』とかなんとかいう 短篇のドラマがありましたけど、そこの流派が大道塾です。

説明はほどほどにして、この市川さんってその当時の実力は世界の10本の指 に入るくらいだったそうです。ところが、1回戦でよりによってグレー シ(ヒクソンだっけ、ホイスだっけ?)と当たってしまいマウントポジション(あお向けになった相手に馬乗りにな ること)でボコボコにされ最後には腕ヒシ十字がためで短時間で負けちゃいま した。この事件後、日本の格闘技界はマウントポジションに過敏になってしまっ たことはいうまでもありません。
たぶん、この後日本の空手系の選手がアルティメットに出たって話しはなかったと 思う・・・(間違ってたらごめんなさい)

あと、最近ではこんな空手もあります。全空連に内田という選手がいました。 彼は幼い頃、極真の空手をやってたそうですが高校入学後から全空連系の試合 で大活躍し、一時代を築きました。その後、『内田塾』という団体をつくりま した。ここの試合形式は変わってます。最初は一般にいうフルコン空手のルー ルで試合を行います。そしてそれで決着がつかなかった場合、なんと普通の寸 止めの試合で勝負を決めるのです。
そのためフルコンで必要なパワーとポイント制で必要な技の切れが必要になり、 理想の空手になるって寸法です。すごいですね。

そんなわけで、いろんな空手があるって事が皆さんお分かりに頂けたと思います。 ・・・よね?

まー空手が柔道(本当は講道館柔術で嘉納・・・ややこしくなるからやめます) などと比べて一般に難解なのはこういう経緯があったからというのもひとつです。

ちっぽけな沖縄で生まれた唐手は本土に伝播した後に姿を変えて『空手』、 『カラテ』となり遂には世界の『KARATE』となったわけでして・・・。




参考文献とか:たぶん月刊空手道だはず...。 あと本屋で立ち読みした格闘技の雑誌関係とか。 それと空手部の時に先生から聞いたりしたこととか。っていうかーかなりいい 加減です。ごめんなさい。